AIは本当に新人の仕事を奪うのか?就職氷河期とMac化するiPadの未来

米国で、大卒の若者が「AI就職氷河期」のような状況に直面しているというニュースが流れました🤔。GPT-5レベルのAIが新人の仕事を代替する時代、若手エンジニアの価値はどう変わるのか?また、本来コンテンツ消費デバイスであったはずのiPadが、から離れてMac化を進めることへの警鐘、そしてApple IntelligenceとしてのSiriの現状についても、深掘り解説します。


AIが新人の仕事を奪う?!米国で忍び寄る「就職氷河期」の現実

最近、ジジドットコム(Jiji.com)の記事で、米国の大卒若者が就職氷河期のような状態に陥っていることが報じられました。特にIT業界、ソフトウェアエンジニアの新人採用枠が大きく狭まっていることが問題視されています。

GPT-5と若手エンジニアの価値

現在のAIの進化レベルは非常に高く、GPT-5はすでにPhDレベルのコーディング技術を持つと言われています。企業側から見れば、高収入で採用する新人プログラマ(年間1,500万円程度)を雇う代わりに、月々20〜30ドル程度の費用で高性能なAIを活用するという選択肢が生まれています。

これは、この10年、20年のコンピューター教育が、AIによってその方法が合わなくなってしまったという問題と捉えられます。これまでは、若手エンジニアが練習段階としてコーディングを覚え、企業の中核を担う人材に育つプロセスがあったものの、その入り口がAIによって代替されつつあるのです。

感じたポイント👌: Web担当者Forumでも提唱されているように、AI検索時代には時代に左右されない「本質的SEO」、つまり本質的な価値を持つコンテンツやスキルが求められます。エンジニアも、単なるコーディング能力(AIで代替可能)ではなく、AIに適合した、より社会や人間行動を学ぶ能力へと価値を変換する必要があると感じました。


AI時代に「人間」が学ぶべき能力

AIがコードを生成できるようになると、若手人材の価値は「単純にプログラムを書く」という工数として換算できない部分にシフトする必要があります。

興味深いことに、カナダのウォータールー大学では、プログラムの授業の試験において、C++などのコーディングをすべて手書きでやらせるという、非常に厳しい方法を採用しているそうです。これは、学生にググること(検索)やAIによるチートを防ぎ、純粋な知識と理解を試すためです。

究極的には、この手書きの試験は、プログラマーに「自分の脳内LLM(インブレインLLM)だけでやれ」と要求しているとも言えます。このことから、AI時代においては、単なるコーディングスキルではなく、思考力や概念設計、問題解決のためのプロンプトを考える能力がより重要になっていることがわかります。

感じたポイント👌: プログラムの歴史を振り返れば、手動の計算機を使う「コンピューター(計算手)」という職業がなくなってプログラマーが生まれたように、今はプログラムを書く方式が変わる過渡期にあるのでしょう。この教育の転換が、今後の人材確保の鍵となります。

スティーブ・ジョブズの亡霊:マック化するiPadへの警鐘

AppleのiPadは、近年Stage Managerやマルチタスク機能の強化など、Macのような操作性を強く取り入れています。この方向性について、一部のメディア(Wiredなど)は、「スティーブ・ジョブズの亡霊から解き放たれて、良い方向に進んでいる」と評価しています。

ジョブズが描いたiPadのビジョンとは

故スティーブ・ジョブズが意図したオリジナルのiPadは、Mac的なマルチタスクや複雑なOS機能とは違う、シンプルなコンテンツ消費デバイスでした。Macにタッチパネルを入れないという彼の強い方針からも、デバイスの役割分担を明確にしていたことがわかります。

しかし、現在のAppleは、スプリットスクリーンやステージマネージャーを導入し、iPadをMac化する方向へとシフトしています。

マック化は短期的な対応に過ぎないのか

このマック化に対し、記事の執筆者(ドリキンさん)は、短期的には受け入れられるかもしれないが、長期的に見たときはあまり良い作戦ではないと警鐘を鳴らしています。

本来、iPadはコンテンツ消費デバイスとして極めて優れており、そのシンプルなUIを突き詰めるべきです。AI(LLMやAIML)の登場により、インターフェースや複雑な操作はAI側が代替できる状況になってきているため、Mac化は目先の対応にしか見えません。

実際、iPadがどんなにマック化しても、ターミナルが使えない、Pythonなどの各種ツールをインストールできないといった制約が残るため、Macの完全な代替にはなり得ません。むしろ、AI時代において、iPadは「より薄く、より軽く」といったハードウェアの優位性を伸ばし、Apple Intelligenceとの融合を突き詰めるべきだという意見が出されています。

感じたポイント👌: この議論を深めるには、AIやLLMの視点が不可欠です。複雑な操作性よりも、AIによる自然言語でのインタラクションが重要になる時代に、リソースをマルチタスク機能の強化に投入するのは「遠回り」になってしまうのではないかという懸念は、非常に的を射た指摘だと感じます。


失望のApple Intelligence:Siriの「出来の悪さ」

AppleはApple Intelligence(AI)の機能をiOSなどに搭載していますが、その現状の出来栄えについては厳しい評価が下されています。

コンテキストを忘れるAIアシスタント

筆者が出張中にレンタカーを借りてCarPlayを利用した際、Siri(Apple Intelligence)の機能の悪さに衝撃を受けたというエピソードが語られています。

CarPlay自体は非常に便利な技術であるものの、Siriにガソリンスタンドの場所や今日の天気など、基本的なことを尋ねても「見つかりません、分かりません」という回答が返ってくることが多々ありました。

さらに深刻なのは、Siriが会話のコンテキストを保持できないという点です。一度ChatGPTのAPIを叩いて情報を取得したとしても、続けて質問をすると、前の会話内容を「なかったこと」にしてしまうため、まともな対話が成立しません。

これは、AIが会話の連続性を理解し、ユーザーの意図を汲み取ることが求められる現代において、Apple Intelligenceが「ゼロ進化」の状態にあることを示しています。

感じたポイント👌: 優秀なエンジニアを抱えるAppleが、このSiriの出来の悪さを何年も放置しているのは、AI実装の優先度が非常に低かったことの表れでしょう。ハードウェア(iPhone 17 ProのA19 Proチップ)はローカルLLMに対応する準備万端であるにもかかわらず、ソフトウェアサービスが追いついていない現状が浮き彫りになりました。


この記事をまとめると…

  • AI技術の進化は、米国で新卒プログラマー採用の枠を狭めるという「AI就職氷河期」を引き起こしつつあります。
  • 今後は、単なるコーディング能力ではなく、AIが代替できない思考力や人間的な価値を教育の中で育むことが重要になります。
  • 一方、Apple製品の方向性としては、iPadがジョブズのシンプルさを捨ててMac化する動きは長期的に見て疑問が残ります。
  • さらに、Apple IntelligenceとしてのSiriは、CarPlayでの使用体験からも分かるように、「前の会話は知りません」という状態で、その出来の悪さが衝撃的でした。

配信元情報

  • 番組名:Backspace.fm
  • タイトル:AIが新人の仕事を奪うって言うけどほんと?! ep618
  • 配信日:2025-09-08

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