【科学的検証】グロッシュ、ポラックの法則は通用するか?最高のパソコン選びの意外な結論


「最新のパソコンを買いたいけれど、何を基準に選べばいいの?🤔」そんな悩みを抱える皆さんへ。コンピューター科学の専門家が、歴代の偉人たちが提唱した「性能と価格の関係を示す法則」を徹底検証!✨ 一番高いものを買うべきなのか、それとも安いものがコスパ最強なのか。科学的な視点から導き出された、現代のパソコン選びにおける「真の結論」を、日常語でわかりやすく解説します。専門家が陥りがちな苦悩や、最新技術の裏話も満載です。


最高のパソコン選び:科学が導く驚きの結論

結論は「一番高いものを買え」?

コンピューター科学の知見から、正しいパソコンの買い方を導き出すという仮説のもと、リサーチが進められました。

しかし、リサーチの結果、まず出てきた結論は「手に入りうる限り最も高いものを買えばよい」という、非常にシンプルなものでした。もし600万円や1000万円のパソコンがあれば、それを買ってください、という結論で終わってしまったのです。

私自身も思わず「え、もう聞く価値がないです」と思ってしまいました。結論が分かったからもうごめんなさい、という書き手(編集者である私)のリアクションが自然に反映されています。当然、話はここで終わりません。この結論は、この後の議論のためのフリだったようです。

コンピューター科学者の苦悩:パソコンに詳しいわけではない

そもそも、コンピューター科学を学んだ専門家がパソコン選びに詳しいかというと、必ずしもそうではないという苦悩が語られています。

コンピューター科学の本質は、アルゴリズムの研究などであり、なんなら紙とペンで研究することも可能です。名前が「コンピューター」サイエンスと付いているせいで、外部からは「パソコンに詳しそうに見えてしまう」のが苦しい点だといいます。これは、言語学者が、世間の流行語や個別の単語について全て詳しいわけではないという例(王天など)と同様の構造だそうです。

つまり、コンピューター科学を学んだからといって、個別の製品の選び方や仕様(例:Excelのマイナーな関数)に精通しているわけではない、というのが正直なところだそうです。事務職の人の方がExcelを使っているため、知識量で負けているが、詳しいと思われて聞かれるのが辛い、という話もありました,。

私自身も思わず、「なるほど、生産技術の馬やりに行ったのと同じ構造ですね」と感じました。この苦悩は、言語学者がおすすめのTOEICの参考書を聞かれるのと同レベルだとも例えられています。

感じたポイント👌:専門分野と実務知識のギャップは、どの分野でも「あるある」だと改めて感じました。知人に「おすすめのTOEICの参考書を聞く」ようなものだと例えられていて、わかりやすかったです。

ハーブ・グロッシュの法則:「価格の2乗に性能が比例」するのか?

結論がない中で、改めてコンピューター科学に関係する法則をリサーチしたところ、初期の偉人であるハーブ・グロッシュが提唱した「グロッシュの法則」が紹介されました。

この法則は、「コンピューターの性能は価格の2乗に比例する」というものです。つまり、値段が2倍になると性能は4倍になるという理屈です。価格が上がるほど還元率が上がる、スケールメリット(規模の利益)が効いている状態であり、「高ければ高いほど得」という最初の結論を裏付けるように見えました。

しかし、この法則には二つの大きな問題があります。

  1. 使いこなせない:性能が無限に良くても、我々一般ユーザーがそれを使いこなせるわけではありません。例えば、量子の暗号を解くような作業はしないため、高性能すぎても意味がないのです。600万のPCを買っても、巨大な重量200キロのPCを家に置きたくないという意見もありました。
  2. 時代遅れ:この法則は50年以上前に提唱されており、現代の技術レベルや集積回路の進化とは完全にミスマッチで、現在では成立していないそうです。値段が上がっていっても、性能がどんどん上がっていくという感じになっていないのが実情です。

感じたポイント👌:性能が良いものが「お得」に見えても、それが本当に自分にとって必要なのかどうか、冷静に判断する視点は重要ですね。

インテル技術者ポラックの法則:部品が多いほど性能は上がらない?

グロッシュの法則が使えないと分かったところで、次に紹介されたのが、割と最近(20年くらい前)にインテルのチップ開発者であるポラックさんが提唱した「ポラックの法則」です。

この法則は、「プロセッサーの性能は、その複雑性の平方根に比例する」というものです。ざっくり言い換えると、「トランジスター(部品)の量を4倍にしても、性能は2倍にしかならない」という、グロッシュの法則とは真逆の考え方です。

これは、一生懸命パーツを詰め込んでも、性能向上は期待したほど得られないということを示唆します。

この法則に従えば、「安ければ安いほどいい」という、最初の結論とは逆の結論が導かれます。理論的には、部品が一つも入っていない概念としてのパソコンを買えば、コスパは無限大になる、という極端な話になりました。私自身も思わず、「超安いパソコンって今出てるしいくらくらいですか?」と興味を持ちました。

感じたポイント👌:高ければ高いほどいい、と安ければ安いほどいい、という真逆の法則が示されたことで、科学的な法則だけでは現代のパソコン選びは解決しないことが明確になってきました。

最新技術の挑戦:Chromebookとクラウドコンピューティングの限界

「安ければ安いほどいい」という考えを体現する、現代の具体的な製品としてChromebookが例に挙げられました。

ChromebookはGoogleが作っており、2万円台のモデルも出ています。その思想は、「コンピューター自体の性能は弱くてもよくて、計算はGoogleのクラウドでやらせ、結果をパソコンに表示させれば、マシンパワーは限りなくゼロに近くてもいい」というものです。

これは画期的な発想ではありますが、技術的には大きな障壁があることが指摘されています。

クラウドゲーミングの歴史とラグ問題

計算をクラウドに任せるという発想は、過去10年以上前からGoogleやMicrosoftなども挑戦し、失敗・撤退している領域です。

最大の課題は、ネット回線のラグです。重い処理をクラウドで計算しても、その結果がネット回線を通って手元の端末に戻ってくるまでの「送られてくる時間」が長くなると、結局画面がカクついてしまい、意味がなくなってしまうのです,。

この問題は、昔のPlayStation 3とPSPを繋いだリモートプレイの際にも、グラフィックが豪華すぎるゲームは伝送に時間がかかりカクつくため、単純なパズルゲームしか対応できなかった、という過去の経験とも一致します,。

コラム:オンラインゲームの未来予測技術

ちなみに、このラグ問題を回避するために、最新のオンライン対戦ゲーム(特に格闘ゲーム)では、未来予知した画面描画を行う技術が使われているそうです。

地球の裏側の人と対戦する際、相手の入力コマンドが伝わってくるまでのラグを待たないために、AI(あるいは確率遷移表)を使って「次この操作を大体するだろう」と予想し、その予想に基づいてローカル(手元のゲームデータ)で描画を進めてしまうのです,。もし予想が外れた場合は、描画を急になかったことにして修正するという、非常にアツい技術が使われているとのことでした。

感じたポイント👌:数秒のラグが致命的になるオンラインゲームの世界で、ここまで高度な技術が導入されていることに驚きました。これは現場でも注目されそう👌。

法則が崩れる理由:ビジネス戦略と広告費の影響

グロッシュ、ポラックという二大法則は、現代のパソコン選びには使えないという結論に至りました。ポラックの法則も、部品を小さくしていく「微細化」の技術を考慮に入れていないため、現代には即していないのです。

そして、法則が崩れる決定的な理由は、ビジネス戦略との接続にあると分析されています。

広告戦略と価格の不一致

仮にスペックが同じパソコンであっても、デザイン広告戦略マーケティングにかかっている費用が本体価格に上乗せされるため、最終的なPCの本体価格が変動します。

例えば、ブランド戦略に多額の費用をかけている場合、スペックの割に高いマシンができるのは当然のことです。この観点から、「広告を出しているものは変わらない」という強い意見が示されました。

広告費やデザイン費を考慮に入れ、デザインに金銭をかけていない、「ダサい」ものから順に買うのがコスパを探るシンプルな方法だという極端な意見も飛び出しました。Appleのようにデザインに金をかけているメーカーは、スペックの割に高すぎる傾向がある一方、デザインがダサい分、スペックを良くして価格を抑えている国産メーカーも存在する、という議論が展開されました。

私自身も思わず、「広告にね金かけてるブランドね。無駄なんだ」と、ツッコミ役に回るべき立場の編集者にもかかわらず、本音を漏らしてしまいました。

感じたポイント👌:広告費やデザイン費が乗っているかどうかを考えるのは、消費者として賢い購買判断に繋がるため、ここは個人的にも納得したポイントです。

科学から学ぶべき結論:「最高の選び方」は存在しない?

ここまで検証してきた結果、コンピューターサイエンスの文脈でできることは、特定の部品構成や条件に対する定量化されたモデルを扱うことだけであり、現実のメーカーが採用している戦略(ブランド戦略や大量生産によるスケールメリット)を考慮に入れることはできません,。

したがって、「どのメーカーのどのパソコンを買えばいいのか」という結論は分からない、というのがコンピューター科学から導き出される最終結論となりました。

コンピューターサイエンスがやっているのは、巡回セールスマン問題のように、どういう順路で回ると一番早いか、といった問題を解くことであって、「良いパソコンを選ぶことではない」のです,。

私自身も思わず、「この時間はなんだったんですかじゃあ」と聞いてしまいましたが、この時間の価値は「使えるものってないんだなあっていうことを皆さんに認識していただける」という、学びにあるとのことでした。

感じたポイント👌:この番組のタイトル(コンピューターサイエンスから学ぶ最高のパソコンの選び方)を信じて見た視聴者に対して、「結論はない!」と断言するところが、非常にユーモラスで、番組の姿勢を象徴していると思いました。

今後の展望:パソコンの選び方論争と個人的なこだわり

最終的に科学的な結論は出ませんでしたが、個人的なパソコン選びのこだわりについては、様々な意見があることが紹介されました。

キーボードと効率性への執着

例えば、一部の熱狂的なユーザー(シンジャー)がいるレノボのThinkPad(シンクパッド)は、キーボード中央にある赤いポッチ(トラックポイント)がないとダメだという意見があります。彼らは、タイピング中に手を離さずにカーソルを動かせるこの赤いポッチこそが、最も効率が良いと考えているためです。この距離(キーボードからタッチパッドやマウスへの移動)が致命的だと考えられています。

また、別の個人的なこだわりとして、マウスへの移動距離を極限まで減らすために、10キー(数字キー)なしモデルを強く求める人もいます。この数センチ、数秒の移動のロスを減らすことが、一日の中で積み重なると大きなロスになると考えられているのです,。

個人的な愛用メーカーと購買基準

専門家個人の意見としては、高性能なマシンを低価格で提供してくれるドスパラの製品を愛用しており、この5年で200万円ほど使用しているという実体験が語られました。これは、ベンチマークの結果を見て、その中から一番良いものを選ぶという基準に基づいているそうです。

今後の展望として、リスナーからの「私なりの選び方」のコメントを拾い上げ、役に立つかもしれない回も別途やろうとしているとのことでした,。

感じたポイント👌:ドスパラは広告費を払っていないメーカーであるにもかかわらず、番組内で愛用メーカーとして紹介されたのは、ユーザーの信頼性の高さを物語っていると感じました,。


この記事をまとめると…

  • コンピューター科学の法則(グロッシュの法則、ポラックの法則)を検証したが、現代の技術変化やビジネス戦略(広告費、デザイン費)の影響により、いずれの法則も現代のパソコン選びには使えないという結論に至った,,。
  • 結果として、コンピューター科学から「買うべきパソコン」の具体的な結論は導き出せない
  • 安価なChromebookの思想は、クラウドコンピューティングによって実現されるが、ネット回線のラグが大きな障壁となっている,。
  • パソコン選びは、個人の効率性へのこだわり(例:ThinkPadの赤いポッチ や10キーレス)や、広告費やデザイン費が乗っていないブランドを選ぶというビジネス的な観点, に基づいて行うしかない。

配信元情報

番組名:ゆるコンピューター科学ラジオ
タイトル:どのパソコンを買えばいい? コンピュータ科学の結論は◯◯!
配信日:2024年12月8日

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