😮💨 普段ChatGPTをメインで使っている皆さん、「Geminiって実際どうなの?」と疑問に思っていませんか?
今回は、筆者が1ヶ月間にわたりGoogleの生成AIサービス「Gemini」(ジェミニ)のみを使って業務を進める「Gemini縛り」を敢行。
その正直な感想と、ChatGPTやClaude(クロード)といった他の主要AIモデルと比較した上でのGeminiの真の使いどころを徹底解説します。
情報収集の精度やコスト効率を最大化したいAIユーザーは必見です!🚀✨
1ヶ月のGemini縛りで得た結論:情報収集・検索はGeminiが最強
筆者はジェミニ縛りを行う前はChatGPTをメインで活用していましたが、1ヶ月間ジェミニを使ってみた結果、
「私個人の利用の範囲ではジェミニで全然問題なかった」 という結論に至っています。
業務でAIを活用する主なタスクとして、情報収集、情報の整理、そして一部のコーディング(プログラミング)がありますが、これらのタスクにおいてGeminiは十分に機能しました。
文章作成タスクではClaudeとChatGPTに軍配
しかし、すべてのタスクでGeminiが優れているわけではありません。
筆者の業務範囲では、日本語の文章作成のタスクにおいて、Geminiは他のAIに比べてやや弱いという印象を受けました。
日本語の文章作成においては、やはりClaudeが最も強く、次にChatGPTが来ると評価されています。
また、文章構成(5字脱字の確認など)のタスクでは、ChatGPTがスコアが高いという実験結果も出ています。
したがって、ライターや資料、メール作成などでAIを頻繁に利用するユーザーにとっては、現時点でのGeminiはあまり推奨されないかもしれません。
感じたポイント👌:AIを使い分けることの重要性が改めて分かります。文章の「質」が求められる場合はClaude、文章の「構成・チェック」ならChatGPT、そして情報収集ならGemini、という使い分けが現実的になりそうですね。
Geminiが情報収集で圧倒的に強い理由:知識の壁とブラウジング
ジェミニがChatGPTやClaudeと比較して明らかに優れている点は、情報収集や検索の精度です。
AIモデルには、知識のカットオフという概念があり、これは「AIモデルがいつまでの情報を学習しているか」を示すものです。最新情報はこのカットオフによって回答できないのが通常です。
主要なAIモデルの知識のカットオフは以下の通りです(当時の情報):
- ChatGPT(GPT-4Oなど): 2023年10月まで
- Gemini: 2023年11月まで
- Claude 3.5 Sonnet: 2024年4月まで
Geminiの知識のカットオフは2023年11月であり、決して最新ではありませんが、インターネットの情報を参照できるため、実質的に最新情報に関する質問にも回答が可能です。
ライバルたちの情報収集能力
情報収集の面でGeminiの優位性は際立っています。
- Claudeの弱点: Claudeはモデルが学習している知識のみに基づいて回答するため、インターネットの参照ができません。例えば、2024年7月にリリースされた検索AI「フェロー」についてClaudeに質問すると、「私の知識は2024年4月時点のものであり、それ以降に登場した可能性のあるサービスについては詳細を把握していない」といった回答が返ってきます。
- ChatGPTの検索機能: ChatGPTもGeminiと同じくインターネットの情報を参照できるブラウジング機能(MicrosoftのBingベース)を備えていますが、現状はGeminiに比べると情報収集の精度が落ちると感じられています。ただし、当時リリース間近とされていたChatGPT Searchが一般的に利用可能になれば、状況が変わる可能性はあります。
現状の比較では、情報収集のタスクにおいては、Geminiが一番使いやすいという評価になります。
感じたポイント👌:Claudeの文章生成の自然さは素晴らしいですが、情報収集が必要な業務タスクではインターネット参照機能の有無が決定的な差となります。最新情報を追いかけるAI関連のトピックでは、GeminiやChatGPT Searchのような検索特化型AIが不可欠ですね。
Googleサービス連携と独自機能:Geminiの使いどころ
Geminiを1ヶ月間使用して分かった、Gemini独自の使いやすさや強力な機能について解説します。
1. Googleサービスとのシームレスな連携
Geminiで生成した結果は、Googleの各種サービスにシームレスにエクスポートできます。
- 情報収集した内容を、そのままスプレッドシートとしてエクスポート
- 文書作成した内容を、そのままGoogleドキュメントにエクスポート
- メールの下書きをGmailにエクスポート
情報収集から、その情報をまとめて管理するまでが非常に使いやすいと感じられました。
また、YouTubeのURLを貼り付けると、動画の内容を要約してくれる機能もあり、20分を超える動画や海外の動画の情報収集に役立ちます。
2. 独自のファクトチェック機能
Geminiの非常に便利な独自機能として、ファクトチェックの機能があります。
Geminiに質問をして回答が生成された後、回答の下側に表示されるGoogleのロゴをクリックすると、Geminiがその回答のファクトチェックを実行します。
- 緑のマーカー: インターネット上でその内容に言及されている箇所。信頼性が高いことを示します。
- 赤のマーカー: インターネット上で情報ソースが見つからない箇所。信頼性が低い可能性があるため、注意が必要です。
ワンクリックで回答の信頼性を視覚的に判別できるこの機能は、ClaudeやChatGPTには現時点ではないGemini独自の機能です。
感じたポイント👌:情報収集から管理、そしてファクトチェックまでシームレスにできるGeminiは、Googleサービスを日常的に使っているユーザーにとっては、ChatGPTでは得られない大きなメリットですね。
GoogleのAI猛追:BardからGeminiへの進化とランキングの変化
Geminiはもともと「Bard」(バード)という名称で2023年に登場しましたが、当時はChatGPTに比べて使いにくいという印象がありました。
しかし、2024年2月頃にBardからGeminiに名称が変更され、多くの機能が追加されています。
特に2024年後半に入ってからのGoogleのAIに対する追い上げは目覚ましいと評価されています。
AIモデルの性能を人間が比較評価するランキングサイト「Chatbot Arena」の上位モデルを見ても、その変化が分かります(当時の情報)。
- ランキング上位はOpenAI(GPT-4O、O1 preview、O1 mini)が占めているものの、Gemini 1.5 Proのモデルが上位(3位、5位)にランクインしています。
- これに対し、Claude 3.5は9位にランクインしています。
これは以前では考えられなかったことであり、Bard時代には回答精度が低いと言われていたGeminiが、今では他のAIモデルに遜色ないくらいの回答精度を出すようになっていることが分かります。
感じたポイント👌:かつてはOpenAIとAnthropic(Claude)が上位を占めていましたが、Geminiが猛追し、上位に食い込んでいるのは、AI市場の競争が激化している証拠です。この競争こそが、AIの性能向上を加速させていると感じます。
Geminiを支えるGoogleのAIエコシステム
Geminiの使いやすさは、Googleが展開する他のAIサービスによっても支えられています。
1. AI搭載メモアプリ「NotebookLM」
NotebookLMは、AIが搭載されたメモアプリのようなサービスです。ジェミニの有料版でのみ利用できるGemini 1.5 Proという高性能モデルが内部で動いています。
- 企業向け活用: 組織の共有ナレッジベースに基づきAIを利用し、生産性向上とコラボレーション促進を目指しています。
- 具体的なユースケース: 競合他社分析、市場調査の結果を一つにまとめてチームが参照できるようにしたり、既存のトレーニングマニュアルをNotebookLMに集約し、新人研修を短期間で行うことにも活用できます。
- コンテンツ管理: 筆者自身は、情報スピードが速いAIに関する資料やコンテンツをNotebookLMに集約し、AIに機能変更などを質問することで、コンテンツ全体の管理に役立てています。
2. 大容量処理に特化した「Google AI Studio」
Google AI Studioは、もともとジェミニのAPIを使った開発者向けのツールですが、開発者ではない方でも便利に使える機能を持っています。
- 大容量処理: 最大の特徴は200万トークンという非常に大きな容量を処理できる点です(ChatGPTでも20万トークン)。
- 利用シーン: ChatGPTやClaudeでも処理できない大きなテキストやファイル(動画や音声ファイルを含む)を処理できます。例えば、セミナー動画の文字起こしやシーンの抽出などが可能です。
- プログラミング: プログラミングを行う際、プロジェクト全体をZIPファイルに圧縮してStudioに投げ、プロジェクト単位で指示を出すといったことも可能です。
このGoogle AI Studioは、ジェミニの最新モデルがいち早く実装され、無料で使える点も大きなメリットです。
感じたポイント👌:Gemini本体だけでなく、NotebookLMで情報資産を管理し、Google AI Studioで大容量のタスクをこなすという、Googleの包括的なAIエコシステムがあるからこそ、Gemini縛りが成功したと言えるでしょう。
この記事をまとめると…
- Gemini縛りの結果: 1ヶ月間のGemini縛りは、筆者の業務(情報収集、整理、一部コーディング)の範囲内では問題なく遂行可能でした。
- 強みと弱み: 情報収集や検索の精度は、インターネット参照能力によりChatGPTやClaudeよりも高いと評価されます。一方で、日本語の文章作成においてはClaudeやChatGPTに軍配が上がります。
- 独自の機能: Geminiは、回答のファクトチェック機能(緑/赤マーカー表示)を備えており、Googleドキュメントやスプレッドシートへのエクスポートもシームレスに行えます。
- エコシステムの活用: Geminiの有料モデル(1.5 Pro)が動くメモアプリNotebookLMや、200万トークンを無料で処理できるGoogle AI Studioといった周辺サービスが、Geminiの利便性を高めています。
- 使い分けの重要性: AIを一つに絞るのではなく、文章作成ならClaude、情報収集ならGeminiというように、タスクに応じて使い分けることが業務効率化の鍵となります。
配信元情報
- 番組名:AIロボシンク
- タイトル:Gemini縛りをして1ヶ月が経った。ChatGPT, Claudeの比較とGeminiの使いどころ
- 配信日:2024-10-22


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