市場は米FRBと日銀の政策動向に揺さぶられながらも、新たな投資機会を模索しています。ジャクソンホール会合後の利下げ期待剥落、トランプ政権によるFRB介入観測、日銀の「通信ギャップ」が相場を動かす中、資産運用の視点も大きく変化しています。本稿では短期的な調整要因と中長期的な物色ポイントを、詳しい背景解説とともに整理しました。
配信元情報
番組名:ザ・マネー
タイトル:水曜日は視界良好!杉村商店(2025.08.27放送分)
URL:https://www.radionikkei.jp/themoney/
目次
マーケット総括
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 日経平均株価 | 42,497円25銭(+102円85銭) |
| 日経平均先物 | 42,530円(+230円) |
| TOPIX | 3,072.25(+0.37) |
| グロース250指数 | 779.94(−5.95) |
| ドル/円 | 147円70銭台 |
| プライム市場売買高 | 約13億5,311万株 |
| 売買代金 | 約3.2兆円 |
| 値上がり銘柄数 | 744 |
| 値下がり銘柄数 | 806 |
- AI関連決算警戒や円高進行が重しとなり、日経平均は利益確定売りが先行。
- マザーズ指数は–2%超の下落。AI・半導体、バイオ関連の利食いが波及。
- 金融セクターは円高懸念で軟調。素材・エネルギー株は米中関係改善期待で買われる。
- VIXは20台半ばまで上昇し、リスク回避姿勢が強まる。
- 米10年債利回りは3.x%台後半で反発。ドル買い一服で円高圧力再燃。
解説ポイントと背景
- 決算前のAI関連警戒
NVIDIAの決算を前に、「高材料で取引解消→警戒売り」が先行。マイクロンやSuper Microも決算不安が波及。 - 小型原子炉・超低消費電力半導体の新興株動向
OKLO(小型レーザー融合炉)、Ambiq Micro(超低消費電力半導体)が台頭。エネルギー・データセンター直結モデルが注目を集める。 - ゴールドラッシュ/バブルの歴史的教訓
既存企業と新規参入企業の「生き残り」を対比。AIブームでも「AI」を名乗るだけでは上がらず、技術力・経営力が選別要因に。 - メガキャップの動向
テスラは堅調維持。インテルは政府/ソフトバンク支援下でも周回遅れ感漂う展開。 - 個人投資家の押し目買いと売り余力
NISA拡充が個人マネーを呼び込み、夏相場で利益を出した個人は「売り余力を残しつつ、押し目買いタイミングを探る」との構図。
ストラテジストの視点
UBS・住友トラスト・ウェルスマネジメントの小林一沙氏が示す、投資判断に必要な6つのキードライバーです。
1. マクロ環境の行方
- 米QT停止観測と利下げ前倒し期待
- 日銀の正常化ジレンマと「通信ギャップ」によるボラ拡大
2. バリュエーション分析
- 実績P/E:TOPIX 16.5倍 vs S&P500 22.5倍(約27%割安)
- 配当利回り:TOPIX 2.2% vs S&P500 1.6%
3. 企業業績見通し
- 2025年3月期EPS横ばい
- ハイテク/半導体:需給回復を待つフェーズ
- 自社株買い・増配余力に注目
4. 資金フロー動向
- 海外勢買い越し加速(対中関税合意後)
- NISA拡大が中小型株を下支え
5. ESG・代替投資の加速
- コーポレートガバナンス改革期待によるESGファンド組入増
- インフラ系REITのインフレヘッジ需要
6. 地政学リスク
- 米中関税・半導体規制リスク
- 中東リスクによるエネルギー価格変動
注目セクター&銘柄
| 銘柄コード | 銘柄名 | 注目理由 |
|---|---|---|
| 3681 | V-cube | 23%高 → リモート会議需要継続 |
| 7731 | Nikon | ストップ高張り付き → 欧州大手によるレンズ買い |
| 2325 | NJS | 年初来高値更新 → 下水道インフラ関連 |
| 3853 | Astella | 14%高 → クラウド/DX関連 |
| 8698 | Monex Group | 8%高 → 仮想通貨関連の追い風 |
モデルポートフォリオ例
| 資産クラス | 銘柄例 | 配分 | 想定年利 |
|---|---|---|---|
| 高配当株 | 8411、8316 | 30% | 約4.0% |
| REIT | 3298、3297 | 20% | 約4.5% |
| グロース株 | 4436 | 10% | 約8.0% |
| 債券(ETF) | 国債ETF | 20% | 約1.5% |
| キャッシュ | ― | 20% | 約0.1% |
テクニカル分析
- 日経平均サポート:42,000円
- 日経平均レジスタンス:43,000円
- ドル/円下値メド:147.50円
- ドル/円上値メド:148.50円
(最新チャートを適宜挿入してください)
投資戦略とリスク管理
- 薄商いレンジ想定:FOMC・日銀会合前に材料出尽くし
- 為替リスク管理:円高圧力を念頭に輸出株配分を調整、ヘッジも検討
- シナリオ別リスク・リワード
シナリオ 内容 影響
強気 FOMCで0.5%利下げ 株高・円安加速
中立 据え置き レンジ継続
弱気 利下げ期待剥落 株安・円高進行 今後のスケジュール 日程 イベント 9月17–18日 FOMC(三分割シナリオ:据え置き・–0.25%・–0.5%) 10月 日銀金融政策決定会合 9月末前後 米9月雇用統計・消費者物価統計

コメント