日本上陸!Gemini Deep Researchが示すAI調査の未来

✨ Google Geminiから、深く調査を行うことに特化した新機能「Gemini Deep Research」(GDR)が日本にも上陸しましたね。従来の検索AIのように単に情報を要約するだけでなく、AIが調査計画を立て、数十から数百の情報ソースを分析して包括的なレポートを作成してくれる機能です。日常的な調べ物には向きませんが、特定のトピックを徹底的に掘り下げたいとき、この機能があなたの情報収集のあり方を劇的に変えるかもしれません。本記事では、GDRの仕組み、使い方、そして情報収集における最適な活用法を深掘りします。🚀


Gemini Deep Researchの概要:従来の検索AIとの違い

Gemini Deep Research(GDR)は、Googleの生成AI「Gemini」からリリースされた新しい検索機能です。元々2024年12月にアメリカで公開されていましたが、2025年1月(先週頃)に日本でも利用可能となりました。

GDRを利用するには、現時点ではGemini Advanced(月額2,900円)の有料プランに加入している必要があります。


検索AI戦国時代:GDRの立ち位置

現在、AIを活用した検索サービスは活発な競争が繰り広げられています。ChatGPT Search、アメリカ発のPerplexity、そして日本産のFelo AIなど、多くの検索AIが存在します。これらの検索AIは、従来のキーワード検索とは異なり、自然言語で会話するように調べ物ができる点が特徴です。

しかし、GDRは、従来の「サクサクと会話ベースで検索する」機能とは一線を画しています。GDRは、その名の通り「深く調査を行う」ことに特化しており、ある特定のケースにおいて、極めて強力な力を発揮します。

従来の検索AIとの決定的な違い:調査計画と多段階実行

GDRの一連の流れは、従来の検索AIとは大きく異なります。

  1. モデルの選択: Geminiの画面からディープリサーチモードを選択。
  2. 質問の入力: 調査したい内容をGeminiに質問(例:「生成AIの企業導入メリット・デメリットを調査して」)。
  3. 調査計画の作成: 質問に基づき、AIが調査計画を作成・提案。
  4. 実行と待機: ユーザーが承認(または修正)後、GDRが実行。内容にもよるが約5〜6分程度。
  5. 報告書の出力: 収集情報に基づき、引用元が明示された報告書やレポートを作成。

この「調査計画の作成と確認」というステップは、従来の検索AIにはなかった部分であり、ユーザー自身の視点以外の調査項目がAIによって追加されることもあり、非常に便利だと感じられます。

感じたポイント👌:調査計画を人間が承認するプロセスがあることで、AIによるハルシネーション(嘘の回答)のリスクを一部軽減できますし、何よりAIが人間の質問を深掘りしてくれる感覚が得られるのは、非常に実用的だと感じました。


実際に使ってわかったGDRのメリットと課題

圧倒的な情報源の広さ:100件以上のソースを参照

GDRの最大の強みは、その情報収集の精度と情報ソースの幅広さです。
例えば、AIエージェントのフレームワークについて調査を依頼した際、GDRは全部で119件の情報ソース(公式サイトやブログサービスなど)から情報を集めてきました。情報収集の精度は高く、ユーザーが知らなかった新しいフレームワークの情報も得られた例があります。

もし人間が119件の情報ソースを調べるとなると、多大な時間と労力がかかりますが、それをGDRは5〜6分程度でやってのけます。

GDRは、日本語の情報ソースだけを参照するわけではなく、英語や中国語など多言語の情報も引っ張ってくるため、特定の情報源に偏ることなく、ユーザーの知見が広がるような感覚が得られます。プロンプトで「世界中の情報を参照して」のように明示的に指示すると、日本語以外の情報を積極的に収集してくれるケースもあります。


「検索版NotebookLM」という視点

GDRで情報収集を行った後、その情報に基づいて追加の質問を簡単に行うことができます。これは、GDRが一度情報を集約したら、その調べた内容をナレッジデータベースのように保持してくれるため、追加の質問がしやすい設計になっているからです。

この特性は、Googleが提供するAI搭載のメモアプリ「NotebookLM」と似ています。NotebookLMは、ユーザーが提供したファイルや資料を元にナレッジベースを構成し、それに基づいて回答しますが、GDRは、インターネット上の情報を集めてナレッジを構成します。そのため、GDRは「検索版NotebookLM」とも言えるでしょう.

課題:時間とコスト、そしてハルシネーション

GDRの利用には、いくつかの注意点があります。

  1. 時間の制約: 調査計画の作成から実行まで5〜6分(長い場合はさらに)かかるため、日常的なサクサク検索には不向き。
  2. 有料プランの必要性: 利用はGemini Advanced(月額2,900円)ユーザーに限定。
  3. ハルシネーション: 他の生成AIと同様、ハルシネーション(AIの嘘)があり、人間によるチェックは必須。

ただし、情報収集が業務のウェイトを大きく占める人にとっては、月額2,900円(1日あたり約96円)で調査タスクを大幅に効率化できるため、十分に元を取れる可能性があると評価されています。

感じたポイント👌:GDRの登場で、情報収集のタスクはより専門化されました。日常的な検索はFelo AIやGPT-4Oでサクサク行い、深くトピックを掘り下げたいときにGDRを使うという「使い分け」が、AI時代における情報収集の鍵になりそうですね。


GDRの最適なユースケース:ビジネス分析と研究調査

Googleの公式でも、GDRが活躍するユースケースが紹介されています。GDRは、単純な調べ物というよりも、調査やレポート作成の場面で真価を発揮するツールです。

  • 競合他社分析・市場調査: 小規模ビジネスを立ち上げる起業家が、競合他社の分析や市場調査を素早く行いたい場合に有用。特定の事業アイデアについて類似サービスが既に存在するかを国内外含めて調査し、創業者情報や資金調達額などをまとめてレポート化。
  • 学術・研究分野の深掘り: ロボット工学や自動運転のセンサーのトレンドなど、最新研究や学術的トピックを深掘りしたい大学院生が、何時間もかかるリサーチを数分でAIに代行。
  • レポート作成とデータ管理: GDRのレポートはGoogleドキュメントとしてアウトプット可能で、資料作成や管理もシームレス。

GDRは現時点ではファイルアップロードに非対応ですが、将来、自前データとインターネット情報を組み合わせてレポート作成が可能になれば、さらに強力な調査ツールになるでしょう。


この記事をまとめると…

  • Gemini Deep Research(GDR)は、AIが調査計画を作り、多数ソースを分析して包括的レポートを生成する「深掘り調査」機能。
  • 利用条件: 現状、Gemini Advanced(月額2,900円)ユーザーのみ。
  • 仕組み: 計画作成→承認→実行→報告書の多段階プロセス。調査は約5~6分以上
  • 特徴: 情報収集の精度とソースの広さが圧倒的で、追加質問しやすい設計。
  • 用途: 日常の検索には不向き。競合調査や学術リサーチなど、深掘りタスクで真価を発揮。

配信元情報

  • 番組名:AIロボシンク
  • タイトル:日本にもGemini Deep Researchがやってきた
  • 配信日:2025-01-21

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