9月4日の東京株式市場は、米国経済指標や金利動向、為替相場の変化を背景に、方向感を探る展開となりました。櫻井英明氏は、足元の相場環境を「材料と心理の綱引き」と表現し、個別銘柄やテーマ株の動き、資本政策や国際情勢の影響について多角的に解説しました。
配信元情報
番組名:ザ・マネー
タイトル:木曜日は櫻井英明のかぶてつ(2025.09.04放送分)
URL:https://www.radionikkei.jp/themoney/
目次
マーケット総括
| 項目 | 数値/動向 |
|---|
| 日経平均株価(14:00) | 42,512円34銭(+128円21銭・+0.30%) |
| TOPIX(14:00) | 3,078.45(+9.12・+0.30%) |
| プライム市場売買高 | 約11.85億株 |
| プライム市場売買代金 | 約2兆8,950億円 |
| 値上がり銘柄数 | 1,020(63%) |
| 値下がり銘柄数 | 560(34%) |
| ドル/円 | 146円92銭〜147円05銭 |
| マザーズ指数 | 小幅安 |
| VIX(米株ボラ) | 20.4 |
- 米国経済指標発表を控え、方向感に欠ける展開
- 米長期金利の変動がグロース株・金融株の明暗を分ける
- 円安基調が輸出関連株を下支え
- 原油価格上昇でエネルギー関連株が堅調
- 防衛・インフラ関連株に政策期待の買い
- 週末の米雇用統計を控え、機関投資家はポジション調整
解説ポイントと背景
- 米経済指標と金利動向の影響
米ISM非製造業景況指数を前に、米長期金利が上下。グロース株には逆風、金融株や資源株には追い風となり、セクター間の資金移動が活発化。
- 円安基調と企業業績
ドル/円は147円近辺で推移。輸出企業は為替差益で業績押し上げ、一方で輸入依存度の高い企業はコスト増が重荷に。
- 原油価格上昇とエネルギー株
中東情勢の緊張や需給逼迫観測で原油価格が上昇。石油・資源関連株が買われ、インフレ懸念も再燃。
- 防衛・インフラ関連株の堅調さ
政策支援や地政学リスクを背景に、防衛装備メーカーやインフラ関連企業の株価が堅調推移。
- 金価格の高止まり
国際金価格は3,500ドル目前。安全資産としての需要が継続し、金鉱株や関連ETFにも資金流入。
- 重要イベント前の様子見姿勢
9/5米雇用統計を控え、短期筋はポジション調整を優先。発表内容次第で為替・株式双方にボラティリティ拡大の可能性。
櫻井英明の視点
- 米経済指標と金利動向が市場心理を左右
- 円安メリットとデメリットを冷静に見極める必要性
- エネルギー・防衛・インフラは中長期テーマとして有望
- 金価格の高止まりはリスク回避姿勢の表れ
- イベント前の静けさは次の値動きの予兆
注目セクター&銘柄
| 銘柄コード | 銘柄名 | 注目理由 |
|---|
| 7011 | 三菱重工業 | 防衛・エネルギー関連事業の拡大 |
| 5020 | ENEOS | 原油価格上昇による業績押し上げ期待 |
| 6501 | 日立製作所 | インフラ・再エネ分野の受注拡大 |
| 7203 | トヨタ自動車 | 円安メリットと海外販売の好調 |
モデルポートフォリオ例
| 資産クラス | 銘柄例 | 配分 | 想定年利 |
|---|
| 高配当株 | 5020、7203 | 30% | 約4.0% |
| REIT | 3283、8954 | 20% | 約4.5% |
| グロース株 | 6501 | 15% | 約8.0% |
| 債券(ETF) | 国債ETF | 20% | 約1.5% |
| キャッシュ | ― | 15% | 約0.1% |
テクニカル分析
- 日経平均サポート:41,900円
- 日経平均レジスタンス:42,600円
- ドル/円下値メド:146.70円
- ドル/円上値メド:147.50円
投資戦略とリスク管理
- 短期:重要経済指標発表前のポジション調整
- 中期:防衛・エネルギー・政策テーマ株を押さえる
- リスク要因:米金融政策の不透明感、地政学リスク、為替変動
シナリオ別リスク・リワード
| シナリオ | 内容 | 影響 |
|---|
| 強気 | 米利下げ観測強まり円安進行 | 輸出株買い、外資流入加速 |
| 中立 | 現状維持でレンジ相場 | ボラティリティ低下 |
| 弱気 | 利下げ見送りで円高再燃 | 輸出株下落、リスク回避姿勢強化 |
今後のスケジュール
| 日程 | イベント |
|---|
| 9/5 | 米雇用統計(8月分) |
| 9/20 | Jリートファン in 高松 |
| 9/23 | IR&個人投資家応援イベント in 大阪 |
| 9/26 | 日経投資IRフェア |
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